2009-03-15 [長年日記]

_ [Game][France] ゲーム「Tokyo Train」紹介 / L'introduction du jeu "Tokyo Train"

みなさん、こんにちは。 「Bruno Faiduttiさんお勧めのフランス産ゲームをいち早く日本語でレビューするよ!」のコーナーです。

フランスのゲームデザイナーのFaiduttiさんは、自身のウェブサイトのLudothèque idéale (Ideal Game Library)というコーナーで、彼が素晴らしいと思ったゲームの紹介をしています。 けっこうな頻度で新しいゲームが紹介されるので、その全てを追いかけようとすると大変ですが、フランスメーカーのゲームに限定すれば、そんなに数はないし、フランスでいち早く入手するのもとても楽なので、何とかなるかも?という無茶な企画です。

さて、記念すべき第1回目は、日本をテーマにした?パーティーカードゲーム、Tokyo Trainです。

名前Tokyo Train
デザイナーWalter Obert
メーカーCocktail Games(商品紹介ページ
人数4,6,8
対象年齢8歳から
プレイ時間10分

このCocktail Games社は、biscoの地雷備忘録 Queen!!で紹介されたRythme and Bouletで有名な、缶入りのゲームばっかり作っているフランスのメーカーです。

で、どういうゲームかとルールを読み始めると、「東京の電車では、観光客はめったに自分の席に座らないので、入れ替えてちゃんと座らせよう!」というゲームだそうです。 指定席を守らないのは、フランスの方がよっぽどひどいじゃないか、とこの時点で早くもツッコミどころがあって不安が高まります。

プレイヤーは、二人一組のチームになって(なので、人数は4,6,8人と偶数限定)、各チーム「日本人担当」と「観光客担当」に分かれて、机の片側に日本人担当が並び、もう片側にそれぞれ相方の観光客担当が座ります。 「日本人」と「観光客」って、いったいどういう分類の仕方だよ?とここもツッコミどこですが、ここでいう日本人は、どうやら車掌さんを指しているようで、つまり車掌さんが指示をして、観光客が席を変わっていくゲームです。

怪しい観光客カードたち

ちなみに、観光客カードはこんな感じ。 フランス人が好きそうな日本っぽいテイストのイラストど真ん中という感じですが、イラストレーターはMiya Chanだそうです。

プレイ風景

これがプレイしている1チームの様子で、この写真だと手前が日本人担当で向こうが観光客担当です。 各チームごとに6色の観光客カードを2×3の形で置き、それをこの写真のように垂直に立っている「正しい席順カード」のとおりに並べ替えていきます。 「正しい席順カード」は、各ラウンドで1枚だけ使用して、全チームがその同じ目標を目指します。 さて、どうやって並び替えを指示するか、それが最大の問題です。

身振りで必死に指示する!

えーと、こんな感じ。 つまり、縦に一つ飛ばしで交換する時は両手を一緒に大きく上下にふりまわし、縦の隣で交換する時は両手を左右交互に上下させ、横に交換する時は両手を左右に動かします。 で、「どのカード」を交換するかは、色の名前を直接いうのではなく、あらかじめ2枚一組の「指示カード」をチームごとに日本人担当と観光客担当で持っておき、そこに書いてある言葉で伝えます。

ツッコミどころ満載の「指示カード」

例えば、左のカードを持っているチームで黄色の観光客カードを動かしたかったら、YAMAGUCHIKEN(山口県?)と叫びながら、前述のとおり手をばたばた動かします。 で、この指示カードの言葉がまたツッコミどころ満載で、「発癌性」とか、「思い上がった」とか、どういう基準で選んだのか理解不可能です。 また、「さっきの移動、やり直し!」という時は、一番下に黒い文字で書いてある言葉を言うのですが、「TUKOSISHEMU」??? もはや日本語かどうかも怪しい感じです。

なにはともあれ、一番最初にこのように正しい席順に並べ替え終わったチームの日本人担当プレイヤーが「Tokyo Train!(フランス語なのでトレインではなくトラン)」と叫んで、勝利します。 で、また次の「正しい席順カード」を一枚出し、それを目指して次のラウンドが開始し、3ラウンドやったら日本人担当と観光客担当を交代してもう4ラウンドやって、合計の勝利数がトップのチームが優勝です。

まあとにかくこういう作業を、全チーム同時!に行うので、もう(ピットのような)カオス必至なゲームです。 で、ここまで説明して、ゆうなに「なんでこんなゲーム買ってきたん?」とやや白い目で見られたりしたわけですが、でもまじめにやろうとすると、「最初にちょっと考えてから最小の交換手順で完成を目指すチーム」とか「とにかく目に止まった違う場所のカードから交換しまくるチーム」とか、いろいろプレイヤーごとの性格が出そうです。 しかも、それをチーム同士で一秒を争う中でやるので、指示を出し間違えたり、急いでカードを交換しようとしてうまく取れなかったり、とかいろんなドタバタをバカになりきって楽しむパーティーゲームです。

月末くらいに、日仏あわせて6-7人でパーティーする予定があるので、そのときにガチンコ勝負をして、動画レポートできればいいなぁと考えています。

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