2013-06-16 [長年日記]

_ [Music] Lille Piano[s] Festival 2013

ジャン=フィリップ・コラールのマスタークラス

毎年恒例のLille Piano[s] Festival、今年もたっぷり堪能しました。

まず、金曜の夕方にコンセルヴァトワールのホールで行われた、JEAN-PHILIPPE COLLARDのマスタークラスに子供Hと一緒に行きました。 三人の生徒が実際に弾いて公開レッスンを受けましたが、一人目の生徒は、子供Hの先生の生徒なので、私たちも何度か演奏を聴いたことがある人で、ショパンのスケルツォ第4番を弾いていました。 他の二人は、ラヴェルの高雅で感傷的なワルツと、シューマンの幻想曲の第1楽章。 こうしたマスタークラスを見るのは初めての体験でしたが、指摘することが生徒にすぐに伝わって演奏ががらっと変化することもあれば、なかなか伝わらないこともあったりして、あらためて音楽を言葉で伝えることの難しさを感じました。 それにしても、生徒の演奏を聴いている途中でコラールさんが私たちの真ん前の席に座った時は、本当にドキドキしました。

つづいて土曜のお昼に、同じくコンセルヴァトワールのホールで行われたFRANK BRALEYとÉRIC LE SAGEのピアノデュオのコンサート。 曲目は、プーランクの連弾ソナタ、モーツァルトの2台ピアノのためのソナタ、プーランクのエレジー、2台ピアノのためのソナタ、奇想曲で、アンコールは予想どおりプーランクの「シテール島への船出」。 このうち、プーランクの連弾ソナタ、モーツァルトの2台ピアノのためのソナタ、プーランクの「シテール島への船出」は自分で弾いたことがあるので、演奏の粗い部分が分かってしまいましたが、それでもライブでのピアノデュオはやっぱりいいものですね。

土曜の夜は、去年に改装されたリール・オケの本拠地で、FRANÇOIS-FRÉDÉRIC GUYピアノ、JEAN-CLAUDE CASADESUS指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、第4番のコンサート。 カサドシュさんは来年でリール・オケを引退されるそうなので、それまでにできるだけ多く聴いておきたかったのですが、このコンサートは本当に素晴らしく、特に第4番はとても良かった。 でも、夜のコンサートなので、子供Hは第4番はほとんど寝てしまって聴けなかったみたいで、ちょっと残念。

日曜の朝は、毎年必ず一つある子供向けの演奏会に家族揃って行きました。 音楽好きなお爺さんの指揮者になりたいという夢がかなって、いろんな楽器とピアノを相手に、いろんな作曲家の曲を演奏する、というストーリーで、大人も楽しむことができました。

日曜の夕方は、Saint-SauveurのCINEMAで、ジャズ・ピアノの演奏会。行く前は、その手前のカフェのスペースで飲みながらゆるく聴けると思っていたのですが、実際は普通の演奏会っぽい雰囲気だったので、個人的にはあまり盛り上がれなくてちょっと残念。

日曜の夜は、再びリール・オケの本拠地で、FRANÇOIS-FRÉDÉRIC GUYピアノ、JEAN-CLAUDE CASADESUS指揮でベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」とピアノ協奏曲第5番のコンサート。 午後8時から始まるコンサートでしたが、今日はお昼にたくさん昼寝をさせた甲斐あって、子供Hも最後までちゃんと聴くことができて、演奏が終わった直後に大声で「ブラヴォー! ブラヴォー!」と叫んでいました。。。 アンコールはある意味予想どおりの「エリーゼのために」で、観客席からちょっと笑いが起きていましたが、こっちでも有名な曲なのね。

最近は、子供Hも新しい曲を弾く前に、A-B-A-C-A' みたいにアナリーゼするようになったので、いっしょにコンサートを聴く時は、私が知っている範囲で、ここからBだねとか、ここでまたAだよとか、変奏曲なのでA1、A2、A3...とか、指で字を書くまねをして子供Hに伝えながら聴いています。

本当は、他にも行きたいコンサートがいくつかあったのですが、今年は行きたいコンサートの時間がいろいろ重なっていて、これだけしか行けませんでした。 ちなみに、来年は2014年の6月13日から15日です。今から楽しみ!


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