この記事は「子供」×「ネット」 Advent Calendar 2014 の23日目の記事です。
北フランスの街、リールに移住して8年目。うちには小学三年生と一年生の二人の男児がいます。 うちの子供達にとってのインターネットのつきあいは、今のところ、親のChromebookやAndroidタブレットを借りて、NHK for Schoolの番組動画を見たり、大好きなパズルブロックLaQのサイトを見ながらいろんな立体を作ったりしているくらいです。
周りを見ると、早い子は幼稚園にニンテンドーDSをしながら通園していたり、小学校中学年くらいになると誕生日にタブレットを買ってもらったりという話を聞きますが、日本みたいに「みんな持っていて当たり前!」みたいな感じはしません。
ある日、小学三年生の長男の持って帰ってきた連絡帳の中に、「インターネットのお約束(小学生向け)」というタイトルの紙が入っていました。 簡単に内容を紹介します。
ご覧のように、これはあくまでも「学校でのお約束」であって、学校の外で子供達をどう守るかという視点は一切ありません。
他にはどんな情報があるかと、「子供 守る インターネット (proteger enfant internet)」のキーワードで検索してみると、
などがヒットします。
一つ目の厚生・女性権利省のページでは、「八つのアドバイス」というPDFを配布していたり、メッセンジャーやゲーム依存、個人情報の扱いなどの十個のテーマにそった短いビデオを公開しているなど、子供と一緒にインターネットでの安全について考える良いきっかけになりそうです。
三つ目のe-Enfanceのサイトは、まさに「子供とネットを考える会」と同じ目的の協会で、とても活発に活動しているようですので、また機会があれば詳しく紹介したいと思います。
さて、現在フランスで「子供とインターネット」というテーマで最も深刻な話題は、イスラーム国に参加する若者たちの問題でしょう。 フランスからイスラーム国に参加した人数はヨーロッパ諸国の中で最も多く、またフランスでは若者を中心にイスラーム国の支持率が他のヨーロッパ諸国より高いという調査結果があります(イギリス:4%、ドイツ:3%に対してフランス:27%)。
イスラーム国は、そのプロパガンダにインターネットを最大限活用していて、イスラームにルーツを持たないフランスの若者も感化されてイスラーム国へ参加する事態になっています。 ヨーロッパで若者が社会問題に感化されて突然旅だったというのは、古くは「少年十字軍」のケースと似ていますが、インターネットの存在によってその影響は比較にならないほど大きくなっています。
そういう意味で、インターネット上で起こる問題は、インターネット上だけに存在する問題ではなく、すでに社会に存在する問題がより強大に降り掛かってくると言えそうです。 ですから、日々メディアを賑わせる様々な社会問題を、大人だけの問題としてではなく、子供も含めた私達の社会全体の問題として、家族でいつも話し合える環境づくりを大切にしたい、と考えています。