キムチ、豚肉炒め、トマト、錦糸卵入りの高麗冷麪/陽 (喫茶店) のハンバーグランチ、スープ/豚肉、人参、ピーマン入りの炒飯 (程さんのヤキメシの素使用)
いざ毎日の献立を記録し始めると、それなりにしんどいものがあります。人に見られていると思えば、ある日の晩にカレー、次の日の朝と晩もカレー、その次の日の朝もカレー、というわけにも行きません。かといって、一人暮らしの身ですので、食事の度に違ったものを少しずつ作るのも大変です。作り置きのきく、いわゆる常備菜のたぐいをもっと作れないといけませんね。さて献立日記といえば、沢村貞子『わたしの献立日記』(新潮文庫)という本があります。元々は『読書猿』 で知りました。
「食べたもの」を書き残している人はいる。日記に書くことがない日には、その日食べたものでも書いておけというアドバイスもある。「特記すべきこと」とされるのは、他の日にはないような、毎日の共通項を約分した後の残りだが、そうした「毎日」は、繰り返される共通項でもって続いているのも確かである。毎日食べないと腹が減る。それでも食べないと死んでしまう。死んでしまうと明日はない。当然、「毎日」もない。
しかし、この本は、「毎日」をただ受け取った人が記したものではない。そんなパッシブなものではなく、作り出した人が作り出しながら作り出したものを記したもの、それもいわば「毎日」を作り出すために記した日記である。(読書猿 第 95 号 より)
女優である沢村さんが、多忙な生活の中で家族のためにたいへんな努力をされたことはよく分かります。しかしその一方で彼女の夫は、毎日ただ食べていただけだったのでしょうか。
現在は共稼ぎの夫婦が多くなりましたが、そんな不公平な家事分担は決して少なくないでしょう。
「好きなときに好きな料理だけ作ることは家事のうちに入らない」
かつて親友 (女性) にこう言われたことを、私は今でも覚えています。そんな本当の意味での「家事のできる人」になりたいものです。
最後に、沢村さんの昭和 41 年の今日の献立を引用します(食事は朝と夜だけで、おひるはおやつ程度だそうです)。
(朝) 鯛塩焼き、枝豆の塩ゆで、鮭、大根・油揚げの味噌汁
(夜) 五目ずし、若鶏すっぽん仕立おすまし
ああ、まだまだ道のりは遠い...