挽肉とタマネギのオムレツ、トマト、トースト/田舎亭の親子丼/鴨の蒸したの、焼き葱、牡蠣雑炊
英国図書館
のウェブサイトで、グーテンベルク (Johannes Gutenberg) の刊行した四十二行聖書の画像
が公開されています。
早速見に行って、何ページかダウンロードしましたが、かなりの高解像度です。まさに文字ふぇちなら垂涎 (すいぜん) ものお宝画像です。でもデスクトップピクチャには果てしなく不向きですのでご注意ください (←あたりまえ)。
グーテンベルクによる活版印刷は、もちろん資料的価値の高いものですが、そうは言っても今日ではブラックレター (ひげ文字とも言う) を使う場面はあまりありませんので、西洋活字ならいわゆるローマン体の系譜のもの、そしてもちろん日本の活字の同じような資料がデジタルデータで公開されていればもっと嬉しいと思います。もし何かご存じの方がいらっしゃれば、ぜひお教え下さい
。
上に書いたような資料が欲しい理由はいろいろあるのですが、一つは電子書体オープンラボ で書体の共同開発をする際に、権利関係でトラブルのない、安心して参照できる資料を開発者同士で共有したいからです。安心して参照できる、というのは一つは著作者自身が明確に (こちらのやりたい使い方を) 許可しているもので、もう一つは著作権の保護期間の過ぎたものがあります。その著作権の保護期間というのは、マイペディア によると、
1970 年著作権法 (現行) が全面的に改正され (施行は 1971 年),著作権の保護期間が著作権者の死後 50 年 (映画,写真,無名や変名の著作物および団体名義の著作物は公表後 50 年) に延長され,さらに翻訳権に関する 10 年間の留保規定も 50 年に延長された (1971 年以降発表のものに限る)。
とあります。つまり、1950 年までに亡くなった方の著作物や、1950 年までに公表された企業著作物から、いい資料が得られないかな、と思っています。
さて、オープンソースの成果物でもあるいわゆるフリーウェアというものが、著作権とは対極の概念のものだと思っていらっしゃる方も多いかもしれません。しかし実際はそうではありません。オープンソース運動の参加者の多くは、むしろ他人の著作権を積極的に大切にする人たちです。例えば私が制作した小さなプログラムも、それが生まれるためには多くの方々のすばらしい作品が不可欠でした。間接的に関係したものも含めると、その数は数十個かもしくは数百個にのぼるでしょう。
他の方の著作物に敬意を表し、そこに自分の創意工夫や努力の成果を加えてさらによりよいものへと昇華させていく、そのはてしないくりかえしこそが、オープンソース運動の根幹なのです。そしてその中に自分が微力ながら参加していることを私は誇りに思います。
さて、社団法人著作権情報センター のウェブサイトに「フリーウェアは著作権を放棄したものと考えてよいのでしょうか」 という Q and A があります。ここには
フリーウェアを提供するソフト作成者の真の意図は、無償とすることによってこのソフトを広く普及・伝播させ、費用の回収および収益の獲得はバージョン・アップの際に有償にしようと図ろうとしている場合が多いと考えられます。
と書かれていて、Kondara 仲間の細野さん が抗議 しています。また、同じ記事に
フリーウェアはその作成者が著作権を放棄したものではなく、権利はいぜん持っているが、ただその行使を控えているだけだとみるのが、作成者の意図に叶った妥当な考え方ということができましょう。
と書いてありますが、多くのフリーウェアには通常「作成者の意図」が書かれた文書が含まれていますし、決してその行使を控えているわけではありません。
このような誤解に満ちた記事がよりにもよって著作権情報センターの記事というのが、とても残念でなりません。くわしくは是非「著作権情報センターの解説文について抗議します」 をご覧ください。