2008-01-29 [長年日記]

_ [OSS] いわゆる商用ソフトウェア / soi-disant logiciels d'affaires

おくじさんに、「去年のThink ITの人気連載ランキングで商用がどうのこうのっていうコメント」が載ってたよ、と聞いたので、さっそく見にいきました。

マンガ版 たかはしもとのぶの「はじめてのオープンソース」

制作:シンクイット制作部

読者からのご意見

  • オープンソースではない方のソフトウェアは「非オープンソース」とか「プロプライエタリ」とか呼ばれるべきものであって、「いわゆる商用」というあいまいな表現をするべきものではありません。実際、オープンソースのデータベースであるMySQLもPostgreSQLも、「いわゆる商用」利用されていますし、「いわゆる商用」サポートもされています。OSS←→商用といった書き方は、「OSSは商用には使えないんだ」みたいな誤解に誘導してしまいます。素人向け記事だからこそ、そのような誤解を再生産してOSSの商業的成功の可能性を消すようなことは、決してやらないでください。今後の連載も楽しみにしています。

こ、これは...私が書いたコメントですね。:)

記事評価総数79の中から、このコメントを一番目に原文そのまんまで載せたThink ITさんに感謝します。

たかはしもとのぶさんは、個人的に以前からひそかにファンですし、オープンソースのことももちろんちゃんとわかっている人なのでいいのですが、それはそれとして、「オープンソース」みたいな表現をときどき見かけます。

エリック・レイモンドが言うところのバザール・モデルの側面にだけ注目して、コミュニティっぽい広がりがあったり、複数の人が参加していたりしたら「オープンソース」と言ったりしています。 しかし、オープンソースにとって、コミュニティはあくまでも(必須ではない)一つの側面にすぎず、そこだけしか見ようとしないのならオープンソースの真の価値を見誤ります。

その手の表現は大抵、オープンソースのことをわかっていないか、もしくはよりたちの悪いことに、わかっているけど自分にとって都合が悪い部分は触れたくないのであえてそういう表現でぼかしているかのどちらかなので、要注意です。

オープンソースにちゃんと定義がある以上、本当にオープンソースについて語るのであれば「オープンソース的」なんてぼかす必要はないので、もしそういう表現を見たら、是非「オープンソースといわざるを得なかった事情は何だろうか?」と行間を読んでみてください。

他にも「社内オープンソース」とか。。。

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