2008-01-31 [長年日記]

_ [OSS] パリでプレゼンしました / J'ai fait la présentation à Paris.

朝一で会場入りしようと、7時半発のTGVに乗ったものの、あらためて自分の切符を見たら見慣れた席番号が書いていなくて、近くのマダムに聞いたら「切符を買うのが遅かったから席がないので、電車が動き始めたら空いている席に座ったらいいのよ」と教えてくれました。

幸い、車両の端っこの「携帯とかパソコンはこちらでどうぞ(電源付き)」コーナーに座れることができたのですが、今度は途中で急に電車が減速して、いまいち気持ち悪い音階のメロディにつづいて車掌さんが「信号の故障で15分〜20分遅れます」とかおっしゃる。 で、元の到着予定時刻の20分後にそろそろいいだろうと思ってトイレに行って席に戻ると、ちゃっかり取られていました。 まあそういうものかといえばそういうものな気もします。 でも、寝不足でしんどいから立つのは辛いのに、予定時刻の30分後になっても到着せず、結局40分遅れでParis Nordに到着。

会場はLa Défenseなので、RERで行ったら速いのかなぁと思って、まずRERのD線に乗ってChâteletに出たのですが、そこからRERのA線に乗り換えようとして路線図を見たら、旧凱旋門のところが「Parisの境界」みたいなことが書いてりました。 パリ共通回数券で乗っているので、たぶんこれはまずいと思って、近くにあった案内所のおにいさんに聞いたら、メトロの1番なら行けるけどRERはダメと言われました。 やっぱりそうかと思ってメトロに向かうと、RERとメトロの間にまた改札があって、すでにParis Nordで改札を通した切符を通したら、一旦閉まって、すぐに開いたのだけれど、単に次の人が切符入れたから開いただけかもしれず、真相は謎のまま。

そんなこんなでやっとLa Défenceに到着。 地上に出たら、いきなり新凱旋門がどどーんと構えていました。 おぉ、初めて見たよ。

会場について、講演者バッジをもらって、まずはブース・コーナーに行ってみました。 謎のコスプレおねえさんとかはいなくて、普通にかっこいいおねえさんがあちこちに。 コミュニティ・ブースみたいなところも盛り上がっていたのですが、カメラを持っていかなかったので、残念ながら写真はありません。

もっと見ていたかったけれど、椅子に座ってプレゼンの準備をしたかったのでさっさと退散して、コンファレンス会場に向かいました。 受付のおねえさんに「講演者なんですが、電源使える部屋とかない?」って聞いたら、「さあ、そんなの知らないわ」みたいなそっけない返事だったのですが、隣のおねえさんが「あ、知ってる知ってる!」って言って、廊下の片隅に机と電源がなぜかあるスペースを教えてくれました。

でも、そこで一人うんうん言いながら準備するのも気恥ずかしいので、午後に私が発表する部屋でやっているセッション「インスタントメッセージとVoIP」を聞きにいきました。 行ったものの、みんなフランス語だし、まあいいやと思って全然聞かずに準備していたのですが、OpenWengoのDave Nearyさんの発表があきらかにオーラでまくりで、思わず聞き入ってしまいました。 彼は、GPLの序文とかを引用しながら、ものすごい勢いで自由の素晴らしさとか相互運用性の大切さとかを語りまくっていて、思わず発表が終わってから「すばらしかったっす〜」と挨拶に行きました。 そして、そこでもらった名刺の肩書きが「自由ソフトウェア起業家」。かっこいい。 ちなみに、彼の発表後の質問タイムで、白髪のおっさんが自説を延々と語りまくっていて、終了後もまだ彼につきまとって文句をたれまくっていたけれど、軽くさらりと流していたみたい。

そうこう言っているうちにお昼休みになって、いつものようにサンドイッチを買って食べたら安上がりかと思ったけど、4.7€って、高すぎ。空港並に高いよ。でも仕方がないのでハムサンドを買って食べました。

そんなわけで、やっと私が出場するセッションがやってきました(ここまでの日記長すぎ)。 このセッションのテーマはSGBD、えーと、Système de Gestion de Base de Donnéesの略で、要するに「データベース管理システム」です。 聴衆は25人くらいで、いわゆるスーツな人はほとんどいませんでした。 もっとビジネスっぽい聴衆層だと思っていたので、ちょっと意外でした。

まずは長い目の発表が二つ。

  • 全文検索入門
  • 全文検索エンジンを組み込んだMySQLおよびPostgreSQLを活用したナレッジ・マネジメント(私の発表)

つづいて、その後は「〜の新機能」シリーズが四つ。

  • Firebird 2.1
  • Ingres 2006 release 3(←ややこしいけど、これが2008年2月にリリースされるものの名前)
  • MySQL 5.1
  • PostgreSQL 8.3

最初の発表では、MySQLの全文検索機能も紹介しながら、「トークナイザが切り替えられない」とか、「最小文字数以下の検索ができないけど、それを変更したらインデックス作り直し」とか、私の発表に向けて絶妙なスルーパスを送ってくれてラッキー。

というわけで、肝心の私の発表ですが、まあなんとかなったんじゃないかと思います。 原稿をあまり覚えられなかったので、下向いたり前向いたりしながらの発表でしたが、ゆっくりはっきりとは喋れたと思います。 終わったあとでIngresの人から「全文検索の統合についてSphinxも考えていたんだけど、Sennaはすごくよさそうだね!」とか「Sennaっていう名前がいいよね! 僕はF1のファンなんだよ!」とか「ERP5でIngresが使えるようになるにはどうしたらいいいの?」とか猛烈に言われて、最後に「プレゼンよかったよ!」と言ってくださいました。

でも、プレゼンが8割くらい進んだところで、CEOのJean-Paulが聞きにきたのはびっくりしました。 私のプレゼンについて、「緊張しすぎ」って言われたけど、私としては、緊張していたというよりも、必死でした。

あと、MySQLの発表をした人に「Tritonnって聞いたことあった?」って聞いたら「ノン。ごめんね。」だそうです。 いろんな意味でもったいない。 一方、PostgreSQLの発表をした人は、Ludiaを知っていました。 今日の発表でちょっとはヨーロッパ方面での知名度があがったりするかな? でも、どうせならもっと聞けばよかったかも。Rubyは知ってる? tDiaryは? failmallocは? DocoMoMoは? とか。

セッションの後は、同じくセッションを終えたJean-Paulと合流して、店じまい中のブース・コーナーに行って、お菓子を食べたりシャンパンを飲んだりしながら、Jean-Paulの知人と一緒にお話をしたり、セッションで知り合ったばかりのIngressの人とお話をしたりしました。

発表資料は、いろいろ手直ししたいところがある(とくにベンチマークをちゃんと計り直したい)ので、公開するまでしばらく時間をください。

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