バルトークが教育目的に書いた全6巻からなるピアノ曲集「ミクロコスモス」の第1巻は、すごくシンプルなユニゾンの曲から始まるのですが、中にはポリフォニックな(多声の)曲もあって、そういう曲を私が弾いていると子供Hがすごく食いついてきます。
そのうちの一つ、31番「カノン形式によるダンス」は、第1巻の中で一番テンポが速い曲なのですが、子供Hはどうしてもこれを弾きたいらしく、上の旋律を歌いながら弾いたり、下の旋律を歌いながら弾いたり、毎日必死に弾いています。
No.31 カノン形式によるダンス - 冒頭
そして、この曲がわかってくると、以前にやった輪唱と似ている、というのに気づいたようで、「かえるの歌をカノンで歌おう! 僕は最初で、かずひこくんは後からね」とか言って喜んで歌っています。
No.12 反行(鏡) - 冒頭
これは、ポリフォニーというほどのものでなく反行の練習曲ですが、この曲を練習しだしてしばらくすると、かえるの歌の左手を反行で弾いて「これはかえるの歌の反行♪」とか言って遊んでいました。
私は小学校中学年くらいでピアノをやめたのですが、当時ポリフォニーは全くやりませんでした。その後、大学時代にまたピアノを弾きだした時にポリフォニーに随分苦労したのですが、子供の頃からポリフォニー慣れしていると、弾き方とか上達の仕方が違ったりするのでしょうか。そのあたりを探るべく、私もいろいろポリフォニーな曲を弾いて聴かせてみようと思います。
ところで、ミクロコスモスの楽譜って、私の大学時代にはBoosey & Hawkes社の美しい表紙のものしかなかったのですが、今では独占出版権が切れていくつかの出版社から出ているんですね。 うちでは、2chのバルトーク・スレを参考にしながら、曲ごとの解説が充実している音楽之友社版のを選んでみました。