2009-01-28 [長年日記]

_ ガザの日本人とガザの「日本人」 / un Japonais à Gaza et un "Japonais" à Gaza

以下は、あるニュースサイトの二つの記事の見出しです。

イスラエル軍が激しい空爆を続けるパレスチナ自治区ガザで、難民救援に取り組む日本人国連職員、寺畑由美さん(32)が29日、朝日新聞に電話で状況を語った。

高知医科大(現高知大)の元留学生ジヤド・アルダフディさん(41)の6人家族。02年1月に高知県で生まれた次男モハンマド君(7)が「日本人」。当時、日本ではパレスチナ人の両親が無国籍扱いで、国籍法に従って日本国籍を得た。

どうして前者は日本人で後者は「日本人」なのか、なぜわざわざそのような表記の区別をするのか、全く理解できません。 先日の日記のコメントにも書きましたが、ある人の見た目と国籍と話す言語はそれぞれ独立したものです。 たとえ日本においては「見た目が日本人」かつ「日本国籍を持つ」かつ「日本語を話す」がかなりの確率で成立するとしても、例外は当然あります。 その例外をわざわざ「日本人」と強調して区別する裏には、強い排他意識が感じられてなりません。

去年の国籍法の改正騒ぎの際にも多くのサイトで、もはや国家意識とか民族意識というよりも排他意識をまざまざと見せつけられました。 しかし、排他意識を持つ人とのつきあいでは、たとえ今はその人から仲間扱いされていても、いつかごくささいな点でもその人と相容れないことがあった時に、どういう仕打ちを受けるか分かったものではありません。 なので、人の排他意識には、個人的にいつも強い恐れを感じていますし、私自身も排他意識を持ってしまわないようにいつも心がけたいと思います。

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