2014-02-05 [長年日記]

_ [Music][Conservatoire] コンセルヴァトワールのレッスン 45 / La 45ème leçon au conservatoire

前回のレッスンから一週間、45回目のレッスンです。

今日は最初に、今年度の「評価」の説明から。去年の評価は、別の先生の前で弾いて評価してもらう形式でしたが、今年も同じ形式で、ただし去年とは違う先生の前で弾くことになりました。

ちなみに、リールのコンセルヴァトワールにはピアノ科の先生は9人いて、それぞれ小学生から大学生くらいまでの年齢の生徒を幅広く受け持っていて、小さい時から「上には上がいる」というのを身近に肌で感じられる、この門下生の幅の広さと連続性みたいなのが、フランスのコンセルヴァトワールの大きな魅力だと個人的には感じています。

一番上のPôle supérieurという課程(日本で言えば音大の大学院みたいなもの?)で教えているピアノ科の先生は、その9人のうちの3人で、一人が子供Hの先生、もう一人が去年評価してもらった先生なのですが、今年評価してもらうのは最後のもう一人の先生、ということになったそうです。 私がその立場ならどうしようもなく緊張してしまいそうですが、子供Hは今のところそんなのおかまいなしに飄々と弾いているので、心配はいらなさそう。

レッスンはマルティヌーの「おとぎ話」から。 先週のレッスンで言われたとおり、自分なりにどういう風にルバートで弾くか考えて弾いて、先生にも「いいね、綺麗だね」と言ってもらえました。 ただ、テンポの変化はともかく、強弱の変化が音型に対していまいちあっていない感じのところを指摘されて、例えばラ↑シ↓ソ↑ラ↑レという音型でソが一番大きいのは変で、最後のレに向かっていく感じで弾くように言われました。 中間のトリオは、まだ左手の音量が大きすぎるのは指摘されましたが、でも今週から新しい曲を始めるためもあってか、この曲は「置いておこう」になりました。

続いて、ヴェーベルンの子供のための小品。 リズムの読譜が不確かなところも随分よくなりました。 ただ、それでも「ここはレガートじゃないよ」とか「ここはもっとはっきりアクセントをつけて」とか言われました。 実際、一度先生が横で「クレッシェンド!」とか「ここはピアニシモ」とか言いながら子供Hが弾いた時は、明らかにいつもよりずっとよくなって、「こんな風に、全てのニュアンスにしっかり気をつけて弾く」ように言われました。 そして、「うん、いいね、評価ではこの曲をやろう」と言われました。私はマルティヌーのおとぎ話を評価で弾くかなぁと予想していたので、ちょっとびっくりしましたが、子供Hも弾けば弾くほどこの曲を気に入っている感じだったので、あと二週間、何とかテンションを高めたまま練習できたらいいな。

引き続き"Bach à nos jours"の4A巻から、まず先生が選んだのは、ヤナーチェクの「草陰の小径にて」から第一集の二曲目「散りゆく木の葉」。 私にとって「草陰の小径にて」は、映画「存在の耐えられない軽さ」に出てきた美しい曲がその中にあると知っていつか弾こうと楽譜を買っていた思い出の曲集なので、そんな曲集の一曲を子供Hが弾くというのがとても感慨深い。

さらにもう一曲、ベートーヴェンのピアノソナタ第20番 Op. 49-2の第一楽章。前に弾いた二曲のソナチネは本当はベートーヴェンの作ではないらしいけれど、これは本当にベートーヴェンの作品。 この曲は、私たちがフランスで初めてMさんのピアノの発表会に参加したときに10歳か11歳くらいの女の子が弾いていたのを今でもよく覚えていて、当時の子供Hはピアノを初めて数ヶ月だったのに、月日が流れて今度は子供Hがこの曲を弾くというのがこれまた感慨深い。

レッスンの後は、また18時半からの火曜日コンサートに行って、ゴーベールのフルートのための幻想曲や、ドヴォルザークのチェロのためのロンドなど、室内楽をいくつか聴いてから帰りました。 帰るときにはケーキ屋さんはもう閉まっていたので、ご褒美ケーキは翌日に買うことにしました。


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