日本では、産まれてから14日以内に出生届を提出しますが、フランスではわずか三日以内に届け出る必要があり、しかも産まれてすぐに病院で名前を聞かれるのが普通なので、産まれるまでにはすでに名前を決めておく必要があります。 そんなわけで、私たちも二人でいろいろ相談しながら名前をあらかじめ決めておいたのですが、あらためて名付けは難しいなぁと実感しました。
一人目の時は、性別が(うっかり)判明したのがけっこう後だったのと、初めての名付けだったこともあり、えいやっと勢いで決められたのですが、今回は考える時間もたくさんあり、一人目の名前との兼ね合いも考えたりで、けっこう大変でした。 でも最終的には、ゆうなも私も納得できるいい名前がつけられたんじゃないかな、と思います。
名付けについてうるさく言う人は、「読みに複数の候補で迷う名前」とか「似た漢字がある名前」とか「男女どちらもありえる名前」とかは「訂正人生で子供がかわいそうだから避けるべき」みたいなことを言うのですが、個人的にはあまり共感しません(ちなみにフランスでは、男女ともに使える名前はprénom mixteと呼ばれ、Camilleなど普通に使われています)。 私自身、「かずひこ」と聞いてすぐに想像される漢字じゃないし、漢字で書かれた名前を初見で読んでもらえないことも少なくありませんが、私にとっては、訂正人生というよりはむしろ会話人生というべきものです。 なので、子供の名付けにあたっても、これらの点についてはあまり気にしていません。 あー、画数がどうのこうのとか姓名判断とかは言うまでもなく一切無視です。 そんなわけで、漢字そのものの持つ意味や、その読みの響きを一番大切にして名付けをしました。
で、↑こういう話はあくまでも「私たちはそう考えて名付けをしましたよ」というだけの話であって、他の人がまた別の方針でもって付けるそれぞれの子供の名前に対してどうこういうのではありません。 たとえ、違和感を感じる名前の子がいたとしても、それが別に親の価値と直結するわけでもなければ、ましてやその子の価値に直結するわけではありません。 むしろ、「変な名前の子は親が変だからその子の将来は推して知るべし」みたいなことをいう「常識派」に対してのほうがよっぽど違和感というか嫌悪感を覚えますし、子供にも名前で人を判断したりはしない人になってもらいたいと思います。
ところで、二人目の子の名前は、フランスで産まれたからフランスっぽい名前とかではなくきわめて普通に日本の名前なのですが、フランスでの出生届ではアルファベットにアクサンが付いています(例えばéとかàとか)。 つまり、「堀さんと宮村くん」の登場人物の「柳明音(やなぎあかね)」くんの場合、普通にローマ字でYANAGI Akaneと書くと、フランスでは「あこんぬ」みたいに発音されますが、Akanéと書けば「あかね」と発音されます、みたいな感じで、ヘボン式ローマ字そのまんまではなく、フランスで正しく発音してもらえるような綴りで提出しました。 もちろん、日本に提出する出生届は、普通にひらがなで振り仮名を書くだけですが、パスポートのアルファベットをどうするかは、またその時に考えます。
前回の記事で書き忘れましたが、私にとって子供の名付けで優先順位がものすごく高いのは、(子供の名前).tdiary.netというドメインがまだ使われていない、というものです。 いつか子供が日記をつけたくなった時のために、子供が産まれてまず真っ先にすることは、役所に出生届を出すよりも前に、たださんに連絡してtdiary.netのサブドメインを予約ですよ! たださんによれば、tDiaryプロジェクトのミッションは「プロジェクトを25年間存続させる」だそうなので、きっと大丈夫なはず。
あと、パスポートのアルファベット表記の件については、ちょうど大使館から電話をもらったのでついでに聞いてみたところ、éもçもôも全て大文字表示でEやCやOと表記しますというお話だったので、考えなくてよくなりました。 ちなみに、例えば名前は「るい」くんだけどフランスの出生届ではLouisで届けている場合はLOUISという表記にすることもできるわけですが、うちの場合は普通に日本の名前なので、アクサンがなければ普通のヘボン式ローマ字になります。