今日は、子供Hの同級生Jちゃんの誕生日会でした。 彼女の両親はブラッスリーを営んでいて、親御さんもゆっくりしていってくれたらいいよ!というお言葉に甘えて、誕生日会の間ずっとそこでまったりしていました。
すると、パーティーの途中で彼女がソプラノリコーダーを持ってきて、どうやって吹くのかしら?という感じだったので、「ちょっと吹いていいかな?」と言って、ハッピーバースデーの曲を吹いてあげました。
それが好評だったので、調子にのってもう一曲ということで、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を吹きました。 いざ演奏を始めると、周りの大人たちが一人また一人とどんどん歌いだして、最後は大合唱になりました。 舞台がブラッスリーだったこともあり、かの美しすぎるプロパガンダ映画「カサブランカ」の有名なシーンを思い出し、私も思わずそのシーンの女性のように涙が出そうになりました。
ちなみに彼女のお父さんはカンボジア出身で、30年ほど前にポル・ポト時代の混乱を避けてフランスにやってきて、その後アメリカに行ったり、フランスでもいろんな仕事をしたりして、いまはこうやってブラッスリーを経営しているとのことです。 こういう話を聞いて、またひとつ現代世界史の爪あとに触れた気がしてその重さに圧倒されつつ、同じ移民でも自分たちの現在の環境が素晴らしく恵まれていることに改めて感謝しています。
上の記事に載せた映画「カサブランカ」のシーンは、この映画がすでにグローバルパブリックドメインなので問題がないのですが、国によってパブリックドメインだったりそうでなかったりするものの扱いが今ひとつよく分かりません。
例えば、サン=テグジュペリの「星の王子さま」は、日本では2005年にパブリックドメインなのですが、フランスではまだパブリックドメインではありません。 ja.wikipedia:星の王子さまによると、
フランスを始めEU加盟国の著作権保護期間は個人の死後70年であり、サン=テグジュペリの保護期間満了は2014年であるが、サン=テグジュペリはフランス著作権法第123条の10における「愛国殉職者」の認定を受けているため、フランス国内では保護期間を世界最長の死後100年と定めている。
だそうで、あと30年以上待たないとパブリックドメインになりません。
さて、今フランスに住んでいる私は、以下のうち何ができて何ができないのでしょうか?
1は当然アウトで、2もたぶんアウトで、2がアウトなら3も同様にアウトなんだろうな、という感じなのですが、あっていますか? で、もしこれらがアウトであれば、これらの行為が合法である日本でこれらの行為をしたあとで、その結果をフランスに持ち込んでも、もともとそれが合法な国で行われたかどうかは関係ないんですよね?
しかし、3がアウトと言われても、だからといって翻訳権が独占されていた時代の岩波書店の内藤濯訳のを今さら買ったところで、日本でパブリックドメインになっている以上、サン=テグジュペリの遺族に利益が還元されるとは思えないんですよね。
それに、3がアウトであれば、これらの出版社は「この書籍をフランスに持ち込むと罰せられるおそれがあります」とか書いた方がいいのか、という話になりそうです。
このあたりの事情に詳しい方がいらっしゃれば、ぜひご教示くださると幸いです。