遅ればせながら、話題の書籍「リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック」を読みました。 すでに多くの人が素敵な書評を書いているので、ここではこの本の内容にまつわる個人的なお話を書いてみます。
Ruby会議2009の時に、この本の編集でもあるオライリーの高さんから、「Rubyの綺麗なコードの書き方みたいな本を編集するのですが、誰かレビュアーを紹介してください」と言われて、「綺麗なコードみたいな名前の会社の人がいますよ!」と言ってクリアコードの須藤さんを紹介して、「Rubyベストプラクティス -プロフェッショナルによるコードとテクニック」が出版されました。 そして今回、須藤さんは堂々の「解説」を書いています。
その須藤さんの解説(の改変版)は、「リーダブルコードの解説 - ククログ(2012-06-11)」で読むことができます。 これを読むだけでも、この本を全部読みたくなってしまうでしょう。 少なくとも私がそうでした。
diff入りのコミットメールは仲間みんなに届くようにしよう。はじめは誰もあなたのdiffを読んでくれないかもしれない。ここであきらめちゃダメだ。まずはあなたが仲間のdiffを読もう。
はい、私はdiff入りコミットメールが好きです。
私自身の体験で言うと、tDiaryのUTF-8化を1年以上の間ほぼ一人でブランチで開発していたとき、そのコミットメールが他のtDiary開発者にも読んでもらっていた(すくなくとも届いていた)おかげで、「ぼっち感」なしに安心して開発を続けられましたし、tDiaryのSCMをsubversionからgitにしようという時にも、diff入りコミットメールの継続を強くお願いしたことを覚えています。 最近、tDiaryのdiff入りコミットメールは、より見やすい色付きHTMLメールになりましたが、これも実は須藤さんのおかげです。
私がNexediで開発しているERP5というERPソフトウェアも、gitレポジトリが公開されている自由ソフトウェアなので、いつも社内外の開発者によってコードのレビューがされています。 誰かが変更をpushすると、他の同僚が「あのコードは、こうした方がいいんじゃない?」みたいなツッコミを入れるのはいつものことです。 また、ある社外のロシア人ERP5開発者が、「ERP5のコードの変更はいつもレビューしているけれど、かずひこのコードは好きだよ」みたいなことを言っていたのを人づてに聞いたときはとても嬉しかったのでした。
そんなわけで、私自身がすでに公私共に「リーダブルなコードを目指す」環境に自然に身を置いている幸運に感謝しつつ、この本のおかげで今後もさらによりリーダブルなコードを目指そうという気持ちになることができましたし、気持ちだけでなく具体的な指針についてもたくさんのヒントをもらうことができました。