2013-07-08 [長年日記]

_ Movie 映画「25年目の弦楽四重奏」 / Le film «Le Quatuor»

11ヶ月ぶりの日本です。 昨日の朝にいちおう交通情報を確認すると、乗る予定だったリールの地下鉄が止まっていました。 なんとも幸先の悪いスタートですが、これくらいは余裕で想定の範囲内なくらいにはフランス慣れしていますので、その分早く家を出て少し歩いてバスに乗り、ちゃんとTGVに間に合いました。 空港に着くと、今年の関空行きエールフランス便はターミナル2Fで、初めての場所だなと思いながら行くと、案外空いていて、チェックインも、セキュリティチェックも、パスポートコントロールも、ほとんど並ばずに済みました。 新しくターミナルができて、利用客がその分、分散したのかしら。

軽く昼食を済ませた後、搭乗して離陸を待っていると、機内のスタッフの様子がやや慌ただしくて、しばらくするとアナウンスがあり、荷物をチェックインしたが搭乗しなかった乗客が一人いるのでその人の荷物を探して降ろしている、とのこと。 そんないささか気持ちの悪いこともありましたが、30分ほど遅れて離陸して、無事に快適な空の旅がスタート。

ゆうなの席のモニタが、同期があっていない感じの乱れで、ダメ元で乗務員の人に相談すると、「離陸したらリセットするので、それで直るか見てみましょう。約束します!」と言われ、離陸してしばらくしたら本当に直りました。 今年は、子供Aも自分でフランス語で「オレンジジュースください」とか話していて、頼もしい感じ。「お子さんのフランス語はとても上手ですね」と乗務員の人にも言ってもらえました。

さて、飛行機といえば映画。いつも日本の映画かフランスの映画ばっかり見ているのですが、今年はその中にあまり面白そうなのがなかったし、A Late Quartet(邦題「25年目の弦楽四重奏」)という映画を観ました。

とても素晴らしい映画でした。yomoyomoさんによる評につけくわえることはほとんどないのですが、途中、主人公のチェリストが語ったカザルスのエピソードのところは涙が出ました(このページを見ると、映画のストーリーにあわせて少し翻案されてはいるけれど実話っぽい)。

私が弦楽四重奏に出会ったのは、大学の室内楽サークルでのことです。 ピアノを弾く身としては、弦楽四重奏のアンサンブルとして最も理想に近いとも言えそうなその形態に羨望し、またその音楽を作るのに四人の創造性が関わるということにやや恐れをなしていて、あまり多く聞いたことはありません。 でも、この映画を機に、もっともっと弦楽四重奏を聴いてみたいと強く思いました。

私自身は、ただのアマチュアの音楽好きですが、この映画のように音楽の世界で日々努力している友人、知人のことを想いながら、彼ら彼女らとの出会い、そしてこの映画との出会いにあらためて感謝するのでした。


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