昨夜は、サッカーワールドカップのヨーロッパ最終予選で、フランスとウクライナの試合がありました。 フランスはウクライナのホームで0-2で破れていたので、かなり厳しい状況でしたが、それでも奇跡を信じて多くの観客がパリのスタジアムに集まり、また実況のアナウンサーもかなり興奮気味でした。
試合がいよいよ始まるという時に、アナウンサーが "Impossible n'est pas français" (不可能はフランス語ではない)と言っていました。 また、試合途中にスタンドの観客が写った時にも "Impossible, pas français !" (不可能、フランス語じゃない!)というパネルを持っている人がいました。
さて、この言葉の元は、日本では「余の辞書に不可能という文字はない」と言われるナポレオンの言葉で、ある将軍が「無理っす」と泣きついてきた手紙に対して、"Ce n'est pas possible, m'écrivez-vous; cela n'est pas français." (貴君は無理だと書いてよこしたが、それはフランス語ではない)と返事をしたという話で、フランスでは今では上述のように "Impossible n'est pas français" (不可能はフランス語ではない)という表現が一般的です。
どうして日本で「余の辞書に」という訳になったのかは知りませんが、実際には「余の辞書」だけでなく「みんなの辞書にもない!」と言ってしまう何ともすごいお話で、しかも今でもその言葉がフランス人の中で普通に使われているのが面白い。
というわけで、フランス人に「日本にもバカンスってあるの?」と聞かれるたびに、「バカンスは日本語ではない」という冗談を言う私でありました。